3月3日(火)〜3月8日(日)の6日間、東京・日本橋三越本店にて、第67回全日本学生児童発明くふう展が開催されました。学生展では、全国各地の発明工夫展覧会で優秀な成績を収め、発明協会本部へ推薦された775点の作品の内、153点が特に優れた作品として選ばれました。(敬称略)

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恩賜記念賞

Cuッパギ君(かっぱぎくん)

福島県郡山北工業高等学校2年 古川 浩 要田 駿

この作品は、穴に差すだけで誰でも簡単にIV・VVF(ビニルで絶縁された)電線から銅線部分を取り出すことができる機械です。入口から差し込まれた電線を2つの電動ローラーにより銅線だけを引き込んで絶縁被覆部と分離します。屋内配線に使用されるVVFケーブルは重量比にして約40%が銅です。銅は、高価な資源ですから「混ぜればゴミ、分ければ資源」というように絶縁被覆のビニルと銅線に分離することにより、処分にお金のかかる産業廃棄物を有価資源にすることができます。

内閣総理大臣賞

声の出るしくみと
「ア・イ・ウ・エ・オ」の模型

兵庫県神戸市立荒田小学校5年 阪口 智律

この作品は、人の声(アイウエオ)を身近な材料で作り出せるようにしたものです。人の声は、@肺からの空気→A声帯の振動(音源)→B口の開きや舌の位置で音色の調整の3段階で作られます。この模型では、これらを全て身近な材料で作ってみました。@肺から出る空気の流れを作るため、浮き輪をふくらませる「空気入れ」を使いました。A声帯に代わるものとして、「ブーブークッション」のふるえる部分を切り取って使いました。B声の通り道の形をいろいろ変化させると「ア、イ、ウ、エ、オ」と響くとわかり、声の通り道を「ペットボトル」と「粘土」で作りました。C5つの模型を並べ、順に空気入れを押して音を鳴らすと「ア、イ、ウ、エ、オ」と聞こえました。

文部科学大臣賞

もじたん

愛知県豊田市立根川小学校1年 佐野 聖和

この作品は、クロスワードをヒントに作りました。二人でひらがなのブロックでいろいろな言葉を作って遊びます。じゃんけんで勝った人が自分のブロックで盤の中心の「ん」のつく言葉(例「りんご」など)を作ります。次の人は、ブロックにつながるように言葉を作ります。同じひらがなは1回だけです。縦、横、ななめか、はさんでも良いです。順に繰り返して先にブロックがなくなった人か、言葉を作れない時は、ブロックの少ない人が勝ちです。遊びながら国語の勉強ができます。

経済産業大臣賞

回れ!!ソーラー物ほし器

千葉県市原市立辰巳台東小学校 6年 齋藤 光喜

この作品は、洗濯物が少しでも速く乾くようにと考えた物ほし器です。洗濯物が乾くには、気温だけではなく、風が関係することを知りました。風が無い時には、モーターが物ほし器を回転させ、洗濯物を乾かします。モーターを回す電池は、太陽電池で充電されます。また、風が吹くと自動的にスイッチが切れ、モーターの回転を止めるしくみが備わっていて、充電してある電気を節約します。実際に回転させた方が速く乾くことも確認しました。

特許庁長官賞

しゃくとり虫の運動会

山口県防府市立新田小学校2年 岡田 真理子

この作品は、しゃくとり虫のおもしろい動きを表したいと思って作りました。しゃくとり虫には磁石を、通り道には鉄の板を貼り付けました。板の貼り方に仕掛けがあって、筒を回すと、頭とおしりの磁石が鉄の板にくっついて、かわりばんこに動くように工夫しています。その様子は再現したいと思ったしゃくとり虫の動きに似ています。しゃくとり虫がごちそうのみかんを追っかける様子や、2匹を競争させるのも楽しいです。

発明協会会長賞

おでかけチェックボード

秋田県大館市立扇田小学校2年 金谷 茉陽

この作品は、お母さんとお出かけするときや、一人で鍵をかけて出かけなければいけないときに、鍵をかけてから「あれっ、ガスを止めたかな?」と思うことが多いので、何か良い方法はないかと思って考えました。上から鍵を入れ、それぞれの項目がOKならバーを左に押します。チェックが一つずつ終わると順番に鍵が落ちてきます。安心してお出かけができるように全部のチェックが終わらないと鍵が出てこないようにくふうしました。

発明協会会長賞

おばあちゃんの靴べらステッキ

愛知県碧南市立東中学校 2年 岡部 華佳

この作品は、祖母のために考えました。私の祖母は、出かけるのが好きでしたが最近はひざが悪く、あまり出かけません。足元から遠くの靴を近くに寄せるときや、靴をはくときにひざを曲げるのが大変なのだそうです。これを使えば、遠くにある靴をはさんで足元まで持ってこられるし、ステッキとして地面についたまま靴べらとして靴をはくことも出来ます。祖母は、「これを使うとひざが楽だし、片足を上げたとき体がふらつかないのでとても楽だよ。」と喜んでくれました。

発明協会会長賞

もう一度じゃ口

香川県立坂出工業高等学校2年 藤田 賢治 1年 海野 直紀

この作品は、水道の水を再利用するじゃ口です。今年の夏は学校の水道も半分が使用禁止になるほど水不足だったので製作しました。流速の変化により負圧を発生させる(ベルヌーイ効果)装置を水道のじゃ口に取り付け、一度使用した受け皿の中の水をホースで装置まで吸い上げ、水道の水と一緒に装置のじゃ口から出します。受け皿がじゃ口から1m下にあるとき、4割程度の水を再利用することができます。足洗い場用として利用します。

日本弁理士会会長賞

スムース・リーフ

愛知県丹羽郡大口町立大口北小学校4年 水谷 玲那

この作品は、お母さんが布団のシーツのカバーのファスナーで生地を挟んで困っているのを見て、何か工夫できないか考え、作ったものです。布団のシーツやクッションのカバーのファスナーに取り付けて、ファスナーを開閉します。すると、生地をはさむことなく、スムースにファスナーを開けたり閉めたりすることができます。葉っぱ(リーフ)の形をしているので「スムース・リーフ」と名付けました。とても便利です。

NHK会長賞

げろげろかえる

秋田県大館市立有浦小学校1年 三浦 星菜

この作品は、毎年夏になると家の周りでかえるがげろげろと鳴くので、何かで同じような音が出せたら面白いだろうなと思い作りました。コップの下の透明な1本のストローを動かすことによって、顔・手・足をうごかしながら同時にコップの底にあけた穴にストローのギザギザがこすれて、かえるの鳴き声のような音が出ます。コップの底の穴にセロテープを貼ることで、かえるの鳴き声にもっと近づくようにくふうしました。

毎日新聞社賞

鬼がたいこをたたく目ざまし時計

三重県津市立千里ヶ丘小学校3年 江口 優輝

この作品は、目ざまし時計の音に音センサーが反応して、モーターに電流が流れると鬼の人形がたいこをたたいて、朝を知らせてくれる目ざまし時計です。小さなマイクで音をひろうので、市販のいろいろな目ざまし時計と自由に組み合わせて使うことができます。鬼のうではギアとカムで動かしています。ばち棒の中にバネをしかけてあるので、たいこに当たるとすぐにはね返り、革を押さえないため、音がよく響くようになっています。

毎日新聞社賞

絡まなearphone

新潟県新潟市立内野中学校1年 吉原 順一郎

この作品は、私はよく音楽を聴くのですが、そのとき毎回イヤホンのコードが絡まるのが不便なので、絡まないようにできないかと考え製作したものです。それで思いついたのが、イヤホンとファスナーを融合させるということです。これによってファスナーを上下させるという簡単な作業だけでわずらわしい今までの絡まりが全くといっていいほど無くなります。とても簡単な構造ですが、使い勝手は抜群なので、ぜひ使ってみてください。

毎日小学生新聞賞

くねくねギャオーン!!ドラゴン

北海道滝川市立東小学校 1年 大倉 拓将

この作品は、家にあまっていた紙コップを使って、何かおもしろいおもちゃが作れないかと考えました。胴体の紙コップは輪ゴムとストローで連結し、胴体に通してある針金のハンドルをまわすと、くねくねと生きているようにおどりだします。白い紙コップでは、ドラゴンらしくないので、黄緑色のスプレーペイントで色をつけ、大きなひげや背びれをつけました。ドラゴンが動き出したときの、みんなのおどろく顔を見るのが楽しいです。

毎日小学生新聞賞

楽々牛乳パックカッター

岐阜県美濃加茂市立山之上小学校6年 水野 美希

この作品は、リサイクルに出す牛乳パックを安全にすばやく切り開くことができるよう考えたものです。このカッターの刃は、直接触れにくい部分にあるので、手を切る心配がなく安全です。さらに、切れ味が悪くなったら、刃を新しく替えていくことでいつまでも使用できます。使用しないときは、冷蔵庫などに貼り付けることができるようにマグネットを付けました。

WIPO賞

オルゴール

徳島県小松島市立和田島小学校6年 田中 光一

この作品は、円盤上に配置したピアノ線をモーターにより回転する鉄製のハンマーが弾き、「かえるの歌」が輪唱で流れるオルゴールです。ピアノやチューナーを使い調律しながら、ピアノ線の長さを調節し、音階を作っていきました。「かえるの歌」は、4分音符を1音とすると32音あることからピアノ線を10度ごとに配置し、余った40度を休符としました。2小節分(80度)ずらしたハンマーを2個設置することで、「かえるの歌」が輪唱で流れるように工夫しました。

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