2月24日(水)〜3月1日(月)の6日間、東京・日本橋三越本店にて、第68回全日本学生児童発明くふう展が開催されました。学生展では、全国各地の発明工夫展覧会で優秀な成績を収め、発明協会本部へ推薦された759点の作品の内、153点が特に優れた作品として選ばれました。<敬称略>

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恩賜記念賞

水とバイオエタノールで動く ハイブリッドエンジン自動車

京都府京都市立藤森中学校1年 福田 竜士

この作品は、水とバイオエタノールで走るエンジン自動車です。水の電気分解で発生する酸素ガスと水素ガスをキャブレターに送り込み、バイオエタノールと混ぜ合わせてエンジンを動かします。実験を繰り返し、電気分解速度が最も速くなる極板の組み合わせ、距離を見つけ出しました。その結果、時速25kmまで出すハイブリッドカーを製作することができました。これにより地球温暖化の原因となっているCO2排出量を削減できます。

内閣総理大臣賞

混在ネジの滑り台

福島県立郡山北工業高等学校2年 遠藤 啄郎  熊田 貴大

この作品は、回収したネジを再利用する際にネジを太さごと分別できる機械です。ネジの分別方法として、ネジ頭の大きさによって板と角パイプの隙間幅で分別しています。振動を利用することにより接触抵抗を小さくしてスムーズに流しますが、単調な振動では詰りが発生するため、PICマイコンを制御することにより2種類の振動制御して送り量の調整や攪拌用のモーターを追加しています。単純な機構ですが分別精度は98%以上あります。

文部科学大臣賞

だれでもつかえる 〜アップ・ダウンくん〜

岐阜県関市立倉知小学校2年  坂井 玲音

この作品は、洗濯物を干すお手伝いをした時に腕を伸ばして上を向いていたら疲れてしまったので楽に干すことができないかと考えました。中心に棒を使い、滑車を取付けロープで上下できるようにしました。低い位置で楽に干す事ができるようになりました。背が低い人や腕が上がらない人、車椅子に座ったままの人でも干すことができる、誰でも使える洗濯物干し機です。中心の棒は折りたたみ傘をリサイクルして作りました。使わない時は棒を短くしてコンパクトに収納できます。

経済産業大臣賞

楽々カンつぶしメカ

山形県山形市立第一小学校5年 井上 舞 (山形少年少女発明クラブ)

この作品は、空缶をリサイクルボックスに入る形につぶすものです。てこの原理を使って、小さい力でつぶすことができます。使い方は簡単で、上から空缶を入れてレバーを2回押すだけで、下からつぶれて出てきます。くふうしたところは、決められた形につぶすため、2回にわけたことです。空缶を上段にセットし、レバーを押して、細板で缶の真ん中をつぶします。レバーを開くと缶が下段に落ちるので、もう一度レバーを押して、広い板で全体を平らにつぶします。

特許庁長官賞

六角レンチ君

大分県立国東高等学校2年 只森 翔吾 重● 守  猪俣 勝也

この作品は、一本で3種類の六角ボルトを締めたり緩めたりできる六角レンチです。一本の六角レンチに、六角形の筒状に加工したパイプを被せていくことで、何本もの六角レンチの役割を果たします。六角レンチは六角ボルトの穴にピッタリ合うレンチを選ばなければ回すことができないが、この六角レンチは、六角ボルトの大きさが変わっても対応できるものです。

発明協会会長賞

オブラート薬屋さん

岩手県花巻市立南城小学校5年 伊藤 直樹 (花巻少年少女発明クラブ)

この作品は、祖母が片手が不自由なため、オブラートで粉薬を包むとき、オブラートがふわふわして薬をこぼすなど、苦労しているのをみて考えたものです。オブラートがふわふわする問題は、オブラートを置く台の材質をアクリル樹脂にし、静電気を利用することにより解決しました。オブラートを包む方法は、オブラートをのせる面の中央付近に丸い穴があけてあり、押し棒によって押し、じょうごの中を通ることにより、オブラートに包まれた薬が簡単に取り出せるものです。

発明協会会長賞

交通事故防止システム(安全ポール)

群馬県富岡市立北中学校2年 掛川 将

この作品は、歩行者の交通事故を防止するために考えた安全なシステムです。ガードレールの両側にこの安全ポールを設置します。ポールに歩行者が接近すると黄色のランプが点灯し、ポールを通過すると上部の赤色ランプが点滅して、運転手に歩行者の存在を知らせる事ができます。道路上で使用するために電源は太陽光パネルを利用して、歩行者が良く見える昼間に充電できるようにしました。

発明協会会長賞

柱・両面垂直チェック

大分県立日出暘谷高等学校2年 大嶋 健太 平田 忠士

この作品は、一般的に柱を垂直に立てるには、正直定規の下げ振りで、一面ずつ垂直を確かめる必要がありますが、それを一度で垂直が確認できる器具です。下側の板に、下げ振りの糸が通る位置が、中心になる黄色の丸い穴を開け、その糸に赤い円を描いた透明のアクリル板を付けておきます。その赤い円が、中央にくるようにすると、柱が垂直に立っていることがわかります。一人で使う時は、ゴムバンドで固定すれば、一人でも柱を垂直に立てることができます。

日本弁理士会会長賞

線香時計 竹炭で「海」の歌

京都府向日市立第4向陽小学校5年 木下 玄

この作品は、蚊取線香が燃えると1時間ごとにビー玉が落ちて、竹炭が自動的に「海は広いな 大きいなー」と演奏する線香時計です。ぼくの住む京都は、エジソンも電球のフィラメントに使った竹の産地なので、まず竹のことを調べた図鑑を作り、作品にも竹の性質をいかし、地元の竹を使いました。線香の火がどうしてもビー玉のところで消えてしまうという難問にぶつかりましたが、いろいろ試して解決しました。くぎを打つと割れるので、ひもで組み立てましたが、竹は「かたくてやわらかい」、すごい素材だと思いました。

NHK会長賞

けしごむのかすとりくん

大阪府私立四天王寺学園小学校1年 阿部 陽奈乃

この作品は、楽しみながら机の上の消しゴムのカスを掃除するものです。消しゴムのカスの上に置き、頭を押すと、勢いよく吹き出す風の力でカスが吹き飛び、胴体のカス受けに集めることができます。頭と胴体は、ゴムでつながっていて、手を離すと元に戻ります。少しずつ動かしながら、ポンプのように何度も頭を押すと机の上がきれいになります。身近にある材料(牛乳パック、ゴム、色紙など)を使って作成しました。使うと楽しくて、何度も頭を押したくなります。

毎日新聞社賞

どこからでも見える安全たすき

岡山県井原市立木之子小学校5年 平坂 啓輔

この作品は、ふつうの夜光たすきだと、斜め横からは光が当たっても見えにくいので、夜光たすきを立体的にしてどの方向からでもよく見えるように工夫した。  軽いほうが使うとき楽なので、つつ形の発ぽうスチロールをしんにして、ふつうの夜光たすきを巻きつけて作った。この夜光たすきを使うと、横から来た車にも光って見えやすいです。

毎日新聞社賞

マグネットもくっつくコルクボード

群馬県桐生市立川内中学校1年 北爪 萌乃

この作品は、マグネットで紙をはり付けることができます。ふつうのコルクボードは、紙の上から画びょうでとめますが、紙に穴があいてしまいます。このコルクボードはマグネットでも紙にはりつけることができるので、大事な書類なども穴をあけずにはりつけることができます。なぜこの作品を作ったかと言うと、画びょうだと、取るのに時間がかかってしまうからです。この作品は、マグネットなので、すばやく取ることができるので、とても便利です。

毎日小学生新聞賞

くるりん逆転!四目ならべ

東京都私立聖徳学園小学校1年 小林 俊貴

この作品は、16マスのうちの4マスに、自分のコマの色が相手の色に一瞬にして変わる「くるりんポイント」が隠されている四目ならべです。縦・横・ななめのどれか一列に、自分のコマを四つ早くならべた方が勝ちなのですが、相手のコマがならぶのを阻止しようとしたのに「くるりん」、そこには置いて欲しくないなぁと願ったら「くるりん」…と、コマの色が逆転、ゲームも逆転したりするのです。しかけは磁石の反発です。頭脳だけでなく、運も決め手のおもしろいゲームです。

毎日小学生新聞賞

速乾Wハンガーコンパクト

宮崎県都城市立祝吉小学校6年 岩下 侑莉

この作品は、体育の授業が2日連続であるときなど、体操服がなかなか乾かなくて、少し濡れた状態で学校に持っていくことがあり、一晩で乾く方法がないか考えました。2つあるハンガーの内側の小さいハンガーを90度回転させることによって、洋服の内側が膨らみ、風通しが良くなり早く乾きます。大小のハンガーを一度に折りたたむことが出来て、コンパクトになり、スポーツの試合などで遠征先にも持っていくことができます。大切なユニホームを傷つけないように、両サイドにスポンジ状の滑り止め付です。

WIPO賞

わくわくコイルランド

千葉県銚子市立本城小学校6年 徳元 真友

この作品は、主に電磁石を利用して、しかけを動かす公園です。本体とSLのスイッチを入れるとSLが走り出し、線路内4つのスイッチを押していきます。パンダがしっぽを動かしながら飛び出して来たり、回転ブランコが動き出します。次に、シーソーやブランコ、チューリップがコイルの反発力で動きます。カモメはふりこの原理を使って、それを回転に変えました。電磁石の仕組みがわからなくても、楽しめるようになっています。

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