自転車には、すごい“くふう”があるんだよ。

それは、後輪の車軸の中にあるんだ。

自転車の後輪は、後ろのギヤと直接つながってはいないんだ。

後ろのギヤはカム(右図のA)とつながっているけど、タイヤの車軸(「ハブ」という、右図のB)とは直接つながっていない。

図@はペダルを前進方向にこぐ場合の力の伝達を表しています。 カムが前進方向(右回り)に回ると、コロはカムによりハブに押し付けられてハブもカムと同じ方向に回り、自転車が前進します。

図Aはペダルを後進方向にこいだ場合の力の伝達を表しています。

カムが後進方向(左回り)に回ると、コロはカムとともに回り、ハブに力を伝えることはなく、自転車は後進しません。

図Bは自転車が前進している時に、ペダルをこぐのをやめた場合の力の伝達を表しています。

ハブは前進方向(右回り)に回リ続けるけど、カムには力が伝わらず、ペダルをこがなくても自転車が滑走します。

図Cは自転車を後進方向に押して動かした場合の力の伝達を表しています。

ハブは後進方向(左回り)に回リ、コロはハブの回転にあわせて左方向に動き、カムを押します。押されたカムもハブと同じ後進方向に回り、チェーンを介してペダルも後進方向に回ります。

このように自転車の後輪軸には、「一方向の力だけ伝える」くふうがなされています。このような仕組を「フリーホイール」といいます。

「フリーホイール」と似ている機能に「ラチェット」という仕組があります。

ラチェット」は歯車(右図のA)と歯止め(右図のB)から構成されていて、歯車を片方向にしか回せなくする機能があります。

図Dは歯車が右回りしようとしても歯止めが引っかかり回転できません。

図Eは歯車が左回りすると、歯止めを押しのけて回転します。

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